<観劇レポート>コンプソンズ「イン・ザ・ナイトプール」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 コンプソンズ「イン・ザ・ナイトプール」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | コンプソンズ |
回 | コンプソンズ#9 |
題 | イン・ザ・ナイトプール |
脚本 | 細井じゅん、大宮二郎、宝保里実、鈴木啓佑 |
演出 | 細井じゅん、大宮二郎、宝保里実、鈴木啓佑 |
日時場所 | 2022/04/05(火)~2022/04/10(日) 王子小劇場(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
2016年、金子鈴幸・星野花菜里が主宰として明治大学 実験劇場を母体に発足。ある実在の出来事を題材に事件から事件、あるいは現実から虚構を縦横無尽に渡り歩く作風が特徴。速射砲の如く繰り広げられるナンセンスギャグとこじつけによって物語はあくまで物語としての結末を迎える。
過去の観劇
- 2024年10月18日【観劇メモ】コンプソンズ「ビッグ虚無」
- 2024年04月19日【観劇メモ】コンプソンズ 大宮企画「映画のパロディ」
- 2023年08月05日コンプソンズ「愛について語るときは静かにしてくれ」
- 2021年04月08日コンプソンズ「何を見ても何かを思い出すと思う」
- 2020年12月11日「脳天パラダイス」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
◆「東京」
脚本・演出 大宮二郎出演
細井じゅん
星野花菜里
大宮二郎
宝保里実
鈴木啓佑
大谷博史
神山慎太郎(くらやみダンス/ガガ)
忽那文香(ダウ90000)
榊原美鳳(ハダカハレンチ)◆「confession」
脚本・演出 細井じゅん出演
細井じゅん
大宮二郎
星野花菜里
忽那文香(ダウ90000)◆「走光」
脚本・演出 鈴木啓佑
出演
大谷博史
榊原美鳳(ハダカハレンチ)
星野花菜里
宝保里実
鈴木啓佑◆「ホットライン」
脚本・演出 宝保里実出演
宝保里実
星野花菜里
神山慎太郎(くらやみダンス/ガガ)
鈴木啓佑
大宮二郎
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年4月5日 19時30分〜 |
上演時間 | 120分(途中休憩なし) |
価格 | 3000円 全席自由 |
チケット購入方法
カンフェティで購入しました。
モバパスアプリにチケットを入れて、当日提示しました。
客層・客席の様子
男女比は6:4くらいで、気持ち男性が多い感じ。
様々な年代の人がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・コメディ
・シリアス
・笑える
・会話劇
・シンプル
観た直後のtweet
コンプソンズ「イン・ザ・ナイトプール」120分休無
役者さんが書いた短編4本。面白かったー。内3本はシュールなコント要素が強くて、くすくす笑いの大きいのを何度も何度も。言葉の感覚鋭い役者陣故のコンプソンズなんだなぁ。ラストはどう受け取って良いものやら。次は九劇で11月、かな?超オススメ。 pic.twitter.com/ygFGOB5nOY— てっくぱぱ (@from_techpapa) April 5, 2022
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
四編の短編を集めた作品。いつもの、金子鈴幸の脚本ではなく、役者さん一人一人の書いた脚本を、それぞれが演出するスタイル。
金子鈴幸の描く世界は独特で、当然それが「コンプソンズ」の大きな部分を担っているんじゃないかな、と思っていた。映画「脳天パラダイス」を見た時も、その事を強く感じたのだけれど。今回のように、個々の役者が脚本を書いて演出した時に、今まで見てきた「コンプソンズ的な」ものが成立するのか、ちょっと疑問だったのだけれど、・・・むしろいつも以上に「あーこのよく分かんないのが、コンプソンズ」っていうのを強く感じるのが、不思議で仕方ない。
この作品を観る限り思うのは、集団の作用で、あのコンプソンズの独特な雰囲気が形作られているんだなぁ、という事。・・・当たり前と言えば当たり前なんだけれども、劇団のテイストは、どうしても脚本によって決まってしまう部分が多いのも事実。会話劇に終始して、コントっぽい要素が多く、いつもの作品よりシンプルな感覚はあったけれども、劇団としてたどり着いた、一つの雰囲気が爆発しているなぁというのを強く感じる。・・・劇団とは名ばかりの、実質、作家が引っ張っているプロデュースユニットが多い中、この手の劇団は、最近はありそうでいて、実はあまりないんじゃないかなぁ。
個々の作品の感想。
「ホットライン」脚本・演出 宝保里実
他の3本はコメディ要素が強い中、この作品はどちらかというと真面目な会話劇要素の強い演劇。青木が絶叫している所で、飯田が思わずニヤけてしまうのが、とにかく忘れられない。ものすごく時間が開いている2人なのに、実は共依存のような関係が成立していて。ちょっと異常な関係性かなとも思えてくるのだけれど、最後に警察に連れていかれるのは晴海の側で、微妙に常識を揺さぶってくるのが面白かった。
「confession」脚本・演出 細井じゅん
どうしたら、こういうシチュエーションを思いつくのかなぁ、という感覚。桜の木の前で話しているだけなのに、気が付くと、カオスの中心にいる。そして、うんちで境界線が引かれている。会話劇なのに、会話しているようで会話していない。忽那文香の、とにかくズレた感覚と、それをものともしない表情が最高だった。
「走光」脚本・演出 鈴木啓佑
正直最初は「あー来た、タイムリープもの。よくある設定じゃん。」って、ちょっと集中力切れかけたのだけれど。途中からの裏切られ方にグイグイ引き込まれて、最後は妙にジーンとしてしまう。「過去の出会いを果たすために、未来から来た人」の物語は、同じような話がたくさんあるけれど、コンプソンズで作ると、ここまでブラック…というか、シニカルな要素がてんこ盛りになるのか。200年後の未来には、Apple MusicもSpotifyもなくて、Sound Cloudしか残ってない、、、っていうのが、なんかものすごく納得感があった。大学生の演劇や、高校演劇の小品として取り上げても、別の意味での新鮮さが出て面白いかなぁと思った。(・・・運転手と車掌の不倫設定が高校生でも大丈夫なら。)
「東京」脚本・演出 大宮二郎
お話としては、随分とカオスなところまで連れていかれたけれど・・・ぶっ飛んだ設定なのに、どこまでがドキュメンタリーで、どこまでが実話なのか、ちょっと判別がつかない事。いや、普通に考えると、さすがにそれは実話じゃないだろう・・・という話なのに、「ドキュメンタリー」と言われると、あー、そうなのかもな、と思ってしまう変な感覚。ラストの、劇団解散。全くの虚構とも思えなくてドキッとする。・・・単に私が、気持ちよく騙されているだけなのかも知れないけれど。ひとまず、次回本公演の予定が、当日パンフに記載されていて、ちょっと安心した。