<観劇レポート>ワンツーワークス「民衆が敵」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 ワンツーワークス「民衆が敵」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | ワンツーワークス |
回 | ワンツーワークス♯35 |
題 | 民衆が敵 |
脚本 | 古城十忍 |
演出 | 古城十忍 |
日時場所 | 2022/05/05(木)~2022/05/15(日) ザ・ポケット(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
『ワンツーワークス』は、古城十忍(こじょう・としのぶ)が主宰する劇団です。
過去の観劇
- 2024年11月14日【観劇メモ】ワンツーワークス「線引き~死者に囲まれる夜~」
- 2024年07月19日【観劇メモ】ワンツーワークス「神[GOTT]」
- 2023年11月05日ワンツーワークス「アメリカの怒れる父」
- 2023年06月18日ワンツーワークス 「R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム」(2023年)
- 2023年02月20日ワンツーワークス「アプロプリエイト―ラファイエット家の父の残像―」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
「匿名の正義」と、どう向き合えばいいのか?
いびつな情報化社会の根底に巣くうものの正体が浮かびあがる……。男は「ある反政府集会」で中心的役割を担っている人物が自分の娘の恋人であることを知り、大いに戸惑いながらも、その恋人の日々の行動確認(行確=コウカク)を開始する。
高校教師を務めるその娘は、思いもかけないことで見知らぬ人々からSNSによる誹謗中傷を受け、個人情報までもがネット上にさらされてしまう。
「本当は何者なのか」。どうしてもその正体をつかまなければならない。男の行確は続く。そんなある日、男は自分自身が見知らぬ何者かに行確を受けていることに気がつく……。
そして娘は、悲嘆に暮れ、怒りを覚えながらもその火消しに躍起になって仕事が手につかなくなるなか、誹謗中傷の発端が意外な人物であったことを突き止める……。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年5月6日 18時00分〜 |
上演時間 | 115分(途中休憩なし) |
価格 | 4800円 全席指定 |
チケット購入方法
カンフェティで予約・決済をしました。
セブンイレブンでチケットを引き取りました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。様々な年齢層の客がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・シリアス
・SNS
・考えさせる
観た直後のtweet
ワンツーワークス「民衆が敵」115分休無
官房調査室の個人調査と、SNSでの誹謗中傷と、改憲反対運動の話。面白かったけど…個別の要素は深刻でよく分かるも、全体のつながりがちょい把握しにくいかな。結局どこに焦点を当てればよかったのかな。恒例の、公開ダメ出し回。今回も楽しかった。オススメ! pic.twitter.com/37m3YleASN— てっくぱぱ (@from_techpapa) May 6, 2022
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
政府内にあって、政権の安定を脅かす存在を調査する、官房情報調査室。そこで働く父は、「人権理解を深める会」のメンバー個人やSNSの動向を監視するのが仕事だった。娘が、結婚を前提にと連れてきた男は、その人権理解を深める会を煽動していたライターだった。一方娘は、教師として勤める高校のいじめ問題と、フィヤンセと共に参加したデモの映像を保護者に拡散されて、SNSで叩かれていた。「人権理解を深める会」は活動方針で分裂気味で、過激なメンバーはSNSでの誹謗中傷を繰り返していた…。SNSをはじめとする「匿名の正義」が横行する中での、官房情報調査室、人権理解を深める会、学校を交えた、群像劇的なお話。
ワンツーワークス定番の、スピード感のあるお話と、爆音ビートでの転換、そして、社会派のテーマの存在は今回も健在。一つ一つのお話と、そのつながりはとてもよく理解できたし、一見関連なさそうな事が繋がっていく様も面白かったのだけれど。SNSでの正義のお話なのか、官房調査室の個人調査の問題なのか、あるいは教育といじめとSNSの問題なのか…の焦点がボケているように感じて、全体を通して何を語りたいのか…が上手く捉えられなかった。
想像するに、3つの要素をからめながら、正義としてのSNSの存在の怖さ…みたいなものが主眼なのかもしれないけれど、それにしては官房調査室のストーリーだけでも、いろいろと怖さが込み上げてくるのでお腹いっぱい。そこに、いじめ問題のリアルさ、「正論を言ってもSNSでは通用しない」まで重なってくると、観るべきところが定まらない。自分の中ではかなり楽しみにしている劇団で、ちょっと期待値のハードルを上げ過ぎる傾向にあるのかもしれないけれど、個別要素が興味深くて、全体感が掴めない感覚だった。
アフターイベントとして開催される「公開ダメだし」の回に、今回も参加。上記の通り、物語の全体感の理解があまり出来なかったので、毎回感じる「ダメだしからの理解の深化」は、少な目だったものの、古城十忍のダメだしを、役者たちが受け止める姿を楽しんだ。観たのは公演2日目。割と集中して観る人が多い、静かな客席だったが、初日はもう少し笑いが多めだったらしく、今日のお客さんは真面目!と、まず客席に向かってダメだししていたのが(笑)、面白かった。