<観劇レポート>下北澤姉妹社 「焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜」
<観劇レポート>下北澤姉妹社 「焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 下北澤姉妹社 「『焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜』」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 下北澤姉妹社 |
回 | 下北澤姉妹社 第4回公演 |
題 | 『焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜』 |
脚本 | 山谷典子 |
演出 | 西山水木 |
日時場所 | 2022/05/11(水)~2022/05/15(日) 駅前劇場(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページに、団体紹介はありませんでした。
過去の観劇
- 2024年05月16日【観劇メモ】下北澤姉妹社 「リンカク」
- 2021年11月26日下北澤姉妹社「月の記憶」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
東京湾を望むタワーマンションのパーティールーム。
なだたるお嬢様学校出身の女三人。
女医の楓はパートナー、市川の浮気癖に悩んでいる。
今回の相手は、マンションの美人コンシェルジュなのではないか?
と推測し、報復を考える女たち。市川にぎゃふんと言わせるためには・・・と本気に考えつつも、自分の選んだ人生を正当化し合い、マウントを取り合う女性たち。
「私の方が幸せだ」
妬み。嫉妬。そこから生まれる怒り。
怒りはどこに向かうのか。向かうべきなのか・・・。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年5月12日 19時00分〜 |
上演時間 | 100分(途中休憩なし) |
価格 | 4500円 全席自由 |
チケット購入方法
CoRichで予約しました。
当日受付で、現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
40代upの方が多い感覚でした。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・考えさせる
観た直後のtweet
下北澤姉妹社 「焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜」100分休無
ん~面白いし、言ってることは凄くわかるし、むしろ40過ぎると、他人に構ってても仕方ねー!って吹っ切れ始めてるけど。物語としての繋がりが弱くて、会話がかなり唐突に見えたかなぁ。物語の構成要素が、ちと混ざりすぎな感が強かった。 pic.twitter.com/zOv8inUI1o— てっくぱぱ@観劇垢 (@from_techpapa) May 12, 2022
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ストーリーは事前に記載の通り。高校時代の同級生の3人。経済状況は3人とも全然違う。子供を持たなかった精神科医の楓は、事実婚の医師の夫とタワマンに住んでる。追いかけるように麻子も同じタワマンに。大学に進む娘も素直でいい子で、一見幸せそうに見える。もう1人の萌香は美容師で子沢山。離婚を何度も繰り返してて、お金は無さそうだけれど、彼氏とラブラブでまあまあ幸せそう。麻子の引っ越し祝い、タワマンのパーティースペースにそれぞれの夫や彼氏、娘などなどが集結して。気が付くと、言葉の端々に垣間見れるお互いのホンネに、相手を傷つけ、また自分も傷つける。そんな風景を描いたお話。
劇中、3人の年齢は出てこなかった気がするけど、多分40代後半、、、私自身と近い。女性の視点、女性特有の問題で描かれてはいるものの、男性の私にも切実で、そういう感覚ってあるよなぁっていう共感。おそらく40代って、人生の中で一番「かつての友達と会うのが少しシンドい」時期じゃないだろうか。何しろ、家庭状況、経済状況、それぞれ抱えてるものが違いすぎる。劇中の3人、高校時代に仲が良かったので集まったけれど、気が付くと会話がヒリヒリ。60代ぐらいになれば、もう少し気も楽にして同窓会できるのかもしれないけれど。
何となく前に進めないのは、登場人物が女性だからだろうか。目の前に展開される光景に、性別は違うも「あるある」「そうそう」ってうなづいて、ヒリヒリする感覚を味わうも、タイトルの「〜おとなのおんなはどこへゆく〜」っていうのがちょっと引っかかって、性別は関係あるのかな、無いのかな、なんて事をモゾモゾと想像しながら観ている。むしろ他人に構ってないで、自分の道を行くしかねえ、って吹っ切れるのも40代な気もするけれど、この吹っ切れた視点は、男性の視点なのだろうか。展開する出来事に共感できるだけに、男性の視点で観て良いのか、というのが途中からとても引っかかってしょうがない。
登場人物のいろんなエピソードが出てくるので、群像劇として見ると人物にリアリティはあるのだけれど、・・・たまたま居合わせた弁護士など、ヒリヒリ「以外」の話が割と情報量が多くて、しかも結構唐突に出てくるものだから、本題に集中できない感覚があった。雑誌記者の麻子の夫が語る「日本人が政治に興味が無い」っていう話は、この流れのストーリーではちょっと唐突すぎて理解に苦しむ。女性の生きづらさに対して、社会問題に答えを求めたのかもしれないけれど・・・、そもそも「女性の問題」っていう気もしなかったので、何だかチグハグな感覚。後半物語が展開するにつけ、3人の答えの出ないバトルを、混じりっ気なしで観てみたいな、という感覚が強くなった。
そういえば、2018年の出来事、っていう設定、客入れの時に投影されているプロジェクター映像で結構強調されていたけれど、何が2018年なのかも、よく分からなかった。格差…は確かに、2018年前後の問題なのかもしれないけれど、幼馴染の40代がお互いを理解できない…って、繰り返しになるけれど、割と普遍的な問題な気もする。
展開には共感できるけれど、どこか要素が多すぎて、そして散りばめられすぎていて。上手く吸収できないなぁ、という感覚が強い芝居だった。
同劇団を観るのは2回目。前作でもでた、コンテンポラリーダンスを思わせるダンス…というよりむしろ「舞」は、今回にはラストに登場。お互いがお互いをどう受け止めるのか、分からない迷いの中での、あのヒラヒラした感じはとても効果的だと思った。
気になった役者さん、冒頭スカーフで顔を隠す松岡洋子、マンションのコンシェルジュの関口秀美、保育士でUberEats配達員の関口敦史が印象に残る。