<観劇レポート>下北澤姉妹社 「焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜」

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<観劇レポート>下北澤姉妹社 「焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜」

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 下北澤姉妹社 「『焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜』」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名下北澤姉妹社
下北澤姉妹社 第4回公演
『焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜』
脚本山谷典子
演出西山水木
日時場所2022/05/11(水)~2022/05/15(日)
駅前劇場(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページに、団体紹介はありませんでした。

下北澤姉妹社

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

東京湾を望むタワーマンションのパーティールーム。
なだたるお嬢様学校出身の女三人。
女医の楓はパートナー、市川の浮気癖に悩んでいる。
今回の相手は、マンションの美人コンシェルジュなのではないか?
と推測し、報復を考える女たち。市川にぎゃふんと言わせるためには・・・と本気に考えつつも、自分の選んだ人生を正当化し合い、マウントを取り合う女性たち。
「私の方が幸せだ」
妬み。嫉妬。そこから生まれる怒り。
怒りはどこに向かうのか。向かうべきなのか・・・。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2022年5月12日
19時00分〜
上演時間100分(途中休憩なし)
価格4500円 全席自由

チケット購入方法

CoRichで予約しました。
当日受付で、現金でお金を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。
40代upの方が多い感覚でした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・会話劇
・考えさせる

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(3/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは事前に記載の通り。高校時代の同級生の3人。経済状況は3人とも全然違う。子供を持たなかった精神科医の楓は、事実婚の医師の夫とタワマンに住んでる。追いかけるように麻子も同じタワマンに。大学に進む娘も素直でいい子で、一見幸せそうに見える。もう1人の萌香は美容師で子沢山。離婚を何度も繰り返してて、お金は無さそうだけれど、彼氏とラブラブでまあまあ幸せそう。麻子の引っ越し祝い、タワマンのパーティースペースにそれぞれの夫や彼氏、娘などなどが集結して。気が付くと、言葉の端々に垣間見れるお互いのホンネに、相手を傷つけ、また自分も傷つける。そんな風景を描いたお話。

劇中、3人の年齢は出てこなかった気がするけど、多分40代後半、、、私自身と近い。女性の視点、女性特有の問題で描かれてはいるものの、男性の私にも切実で、そういう感覚ってあるよなぁっていう共感。おそらく40代って、人生の中で一番「かつての友達と会うのが少しシンドい」時期じゃないだろうか。何しろ、家庭状況、経済状況、それぞれ抱えてるものが違いすぎる。劇中の3人、高校時代に仲が良かったので集まったけれど、気が付くと会話がヒリヒリ。60代ぐらいになれば、もう少し気も楽にして同窓会できるのかもしれないけれど。

何となく前に進めないのは、登場人物が女性だからだろうか。目の前に展開される光景に、性別は違うも「あるある」「そうそう」ってうなづいて、ヒリヒリする感覚を味わうも、タイトルの「〜おとなのおんなはどこへゆく〜」っていうのがちょっと引っかかって、性別は関係あるのかな、無いのかな、なんて事をモゾモゾと想像しながら観ている。むしろ他人に構ってないで、自分の道を行くしかねえ、って吹っ切れるのも40代な気もするけれど、この吹っ切れた視点は、男性の視点なのだろうか。展開する出来事に共感できるだけに、男性の視点で観て良いのか、というのが途中からとても引っかかってしょうがない。

登場人物のいろんなエピソードが出てくるので、群像劇として見ると人物にリアリティはあるのだけれど、・・・たまたま居合わせた弁護士など、ヒリヒリ「以外」の話が割と情報量が多くて、しかも結構唐突に出てくるものだから、本題に集中できない感覚があった。雑誌記者の麻子の夫が語る「日本人が政治に興味が無い」っていう話は、この流れのストーリーではちょっと唐突すぎて理解に苦しむ。女性の生きづらさに対して、社会問題に答えを求めたのかもしれないけれど・・・、そもそも「女性の問題」っていう気もしなかったので、何だかチグハグな感覚。後半物語が展開するにつけ、3人の答えの出ないバトルを、混じりっ気なしで観てみたいな、という感覚が強くなった。

そういえば、2018年の出来事、っていう設定、客入れの時に投影されているプロジェクター映像で結構強調されていたけれど、何が2018年なのかも、よく分からなかった。格差…は確かに、2018年前後の問題なのかもしれないけれど、幼馴染の40代がお互いを理解できない…って、繰り返しになるけれど、割と普遍的な問題な気もする。

展開には共感できるけれど、どこか要素が多すぎて、そして散りばめられすぎていて。上手く吸収できないなぁ、という感覚が強い芝居だった。

同劇団を観るのは2回目。前作でもでた、コンテンポラリーダンスを思わせるダンス…というよりむしろ「舞」は、今回にはラストに登場。お互いがお互いをどう受け止めるのか、分からない迷いの中での、あのヒラヒラした感じはとても効果的だと思った。

気になった役者さん、冒頭スカーフで顔を隠す松岡洋子、マンションのコンシェルジュの関口秀美、保育士でUberEats配達員の関口敦史が印象に残る。