<観劇レポート>Project Nyx「青ひげ公の城」
<観劇レポート>Project Nyx 「青ひげ公の城」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 Project Nyx「青ひげ公の城」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | Project Nyx |
題 | 青ひげ公の城 |
脚本 | 寺山修司 |
演出 | 金守珍 |
日時場所 | 2022/09/08(木)~2022/09/19(月) ザ・スズナリ(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
新宿梁山泊の水嶋カンナが6年に立ち上げたユニット。宇野亜喜良の総合美術、金守珍の演出を基盤に、不朽の名作から知られざる傑作まで、忘却の彼方に漂うイメージに息を吹き込み、現代のパフォーマンスとして蘇らせる実験演劇ユニット。さまざまなジャンルのアーティストが出逢うことにより、演劇という枠を超え、音楽、舞踊、人形、アートが融合した新たなエンターテインメントの創造を志す。第1回公演「かもめ或いは寺山修司の少女論」では、映画のはねた映画館で、映像、朗読、人形、演劇の融合を試み、いままでにない不思議な舞台空間を生み出した。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
どれが本当でどれが芝居か。私はいったい誰でしょう?寺山修司の傑作戯曲が、ProjectNyxの妖しく華麗なエンターテインメント美女劇として甦る!!
寺山修司の代表作の一つ「青ひげ公の城」は、1979年、演劇実験室◎天井桟敷が西武劇場で初演した作品です。
パルトークのオペラにもなり、中世フランスに伝わる、妻をめとっては次々に殺したという青ひげ伝説をモチーフにした戯曲です。しかし、寺山作品では、青ひげは登場せず、<中心(主人)の不在>のなか物語が進行します。「青ひげ公の城」という虚構と、その芝居の青ひ げの第七の妻になろうとする少女(虚構の中に入ろうとするが入りきれない現実風の女の子)と、観客(現実)との三角関係に力点が置かれ描かれています。数々の美女劇を手掛けてきたProject Nyxでの上演が最も望まれていた、まさにProject Nyxの集大成となる作品です。
今回も、宇野亞喜良による妖しく華麗な美術、装置、衣裳、美粧と、アンダーグラウンド演劇を引率する金守珍の演出で、演劇、映像、音楽、舞踊を融合させ、女優、女性アーティストだけによるエンターテインメント美女劇として現代の 「青ひげ公の城」を創造いたします。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年9月9日 19時00分〜 |
上演時間 | 125分(途中休憩なし) |
価格 | 4800円 全席指定 |
チケット購入方法
劇団ホームページからのリンクで予約しました。
事前振り込みでお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は6:4くらい。
男性は中年が多く、女性は年代層様々でした。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・異世界
観た直後のtweet
Project Nyx「青ひげ公の城」125分休無
団体2度目。脳ミソ溶けたなぁ。現実と虚構の間で溶けた。アングラだけど美少女揃いの超エンタメ劇。歌と踊りと本格手品も。手品、凄くて拍手ポイント迷うね?物語は寺山作品と他の物語下敷きだと思うが、難しい事考えず溶ければいいかな。凄かった。超オススメ! pic.twitter.com/SUTn8KD2Y2— てっくぱぱ@観劇垢 (@from_techpapa) September 9, 2022
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
Project Nyxは、二度目の観劇。
寺山修司の作品「青ひげ公の城」…という事。私自身は、あまり寺山修司の演劇には詳しくないので、この作品が、寺山修司の基の作品と、どの程度同じで、どの程度違っているのか分からない。構成:水嶋カンナ、と書かれているので、元の寺山修司の作品を、かなり大きくアレンジしているように感じる。(そして元々の「青ひげ公の城」のバルトークのオペラとも全然違う。)そのあたりの状況を排して書いてみると。
「青ひげ公の城」が演じられる劇場に来た、七人目の妻。舞台監督と、衣装係の舞台裏の人々と、七人の妻に話を聞いているうちに、段々と「舞台」と「現実」の境目が段々と分からなくなっていく・・・というお話。所々に、寺山修司の他の作品や、古今東西の劇作をモチーフにした構造になっていると思われる。
ストーリーは脇においておいて。なんというか・・・ここはスズナリだったよなぁ、という感覚。出演者は殆ど女性。妖艶というか、怪奇というか。バイオリン(フィドル?)と歌と、手品と踊りと、あれはアクロバットっていうのかな(調べたらエアリアル・・・という語が出てきたけれど)・・・と。虚構の世界ではあるのだけれど、ものすごい世界観を作り上げている。アングラ演劇を自称していたように思うけれど、前作「女歌舞伎 さんせう太夫」同様、エンターテインメント。作品のテーマ同様、虚構の世界にどっぷりつかる。そんな2時間だった。
手品師として出演しているのは、渋谷駿。本格的な手品を、演劇と融合させているのは初めて観たかもしれない。鳩がウサギになり、早替えをして、カードを当てる。言われてみれば・・・こんな取り合わせは観た事ないし、作品の妖艶な世界観に、とてもマッチしていてよい。気になったのは、手品のキメで拍手すると、演劇の流れが停滞する気がして、拍手するのをちょっとためらう所。あのあたりがバランス取れると、更に面白くなりそう。