<観劇レポート>演劇プロデュース『螺旋階段』「RAIN~改訂版~」

#芝居,#演劇プロデュース螺旋階段

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 演劇プロデュース『螺旋階段』「RAIN~改訂版~」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名演劇プロデュース『螺旋階段』
第32回公演
RAIN~改訂版~
脚本緑慎一郎
演出緑慎一郎
日時場所2022/12/23(金)~2022/12/25(日)
小田原市生涯学習センターけやき(神奈川県)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

演劇プロデュース『螺旋階段』は、2006年8月に小田原で結成した劇団です。
2006年小田原にて。
居酒屋にて緑慎一郎、田代真佐美、上妻圭志、三春瑞樹の 四人で集まり劇団をやることを決意。酒の勢いで最初は 「マッチ小屋」という名前だったが朝起きたらこれは駄目だと緑が演劇プロデュース『螺旋階段』に改名。
以後、年に二回のペースで公演している。 小田原を秋公演、横浜を春公演に現在は落ち着いている。 全て緑慎一郎が脚本と演出のオリジナル作品を上演。 2016年に演劇プロデュース『螺旋階段』十周年を迎えた。

演劇プロデュース『螺旋階段』

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

☆作・演出より
創立15周年を昨年迎え、小田原みなとものがたりという地域を描いた作品を上演しました。新たなスタートを切る意味でも旗揚げ公演の作品を改訂し上演することにしました。三井探偵事務所シリーズは初演の後にも2シリーズ書き下ろすことになるとても思い入れの強い作品です。積み重ねてきた劇団としての力を存分に発揮する作品になると思います。

☆あらすじ
2006年12月、雨が強く降る夜に一人の男が飛ばされてきました。
男が辿り着いたのは探偵事務所、自分がどうしてここにいるのかもわからない男は自分の事よりもどうしてもお願いしたいことがありました。三井探偵事務所への依頼は大半が浮気調査・動物探しですがその男の依頼を引き受けて調査を開始します。男が飛んできた理由とは何なのか、男は何のためにやってきたのか、全てがわかるときクリスマスの夜に小さな奇跡が起こります。是非、見届けてあげてください。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2022年12月23日
13時00分〜
上演時間115分(途中休憩なし)
価格2500円 全席自由

チケット購入方法

劇団のページからのリンクで、CoRichのページで予約しました。

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。40代upの年齢層が目立った気がします。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・ファンタジー
・ハッピー

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

2006年。とある探偵事務所に訪れた、2人の依頼人。ひとりは、夫が浮気したという妻。でも、訪ねてきた夫は浮気している様子はない。もう一人は、1976年、イーグルスが来日した来たという男。自転車に乗って恋人にあいに行く途中に、気がついたら2006年に来ていた男。バック・トゥ・ザ・フューチャーよろしく、自転車を高速で走らせて1976年に送り返すも、また戻ってきてしまう。実は、一人目の依頼人は浮気しているのではなくて、育ての母が病気で危ない状況なのを隠していた。その母は、1976年からやって来た男の恋人で・・・男は恋人にあいに行く途中に、自転車の事故で亡くなっているのが分かる。デートの時に、いつも遅刻していた男。2006年でも、恋人の死に目には会えなかったけれど。幽霊のような何かの存在となって、2人が再会する・・・と、強引にまとめるとこんなお話。

ここ数年で緑慎一郎の作品を何本か観ているが、小田原を舞台にしたお話など、割と「現実に即した」話であることが多かった。ストーリーの通りこの作品は、ファンタジーの要素が強い。しかも旗揚げ作品の改訂版。へぇ、こんな作品も書くんだなぁ、という驚き。しかも、ファンタジー要素を最後まで出さず、着地点の「タネ明かし」を最後までしない。結果的に振り返るとファンタジーだったのか、という感じ。探偵の三井以外はどういう状況なのか気がついた・・・ようなストーリーになっているけれど、私も、最後に話がどこにたどり着くのか、三井探偵と同様分からなかった。じれったさもあるけれど、ハック・トゥ・ザ・フューチャーのパロディなんかもあり、飽きさせない。ファンタジーっぽくもあり、ミステリーの要素もあり、ラブロマンスでもある作品で、面白い。

「結果的には」ラブロマンスという事なんだけれど、結局何だったのかなぁ、なんて事を振り返る。ラストのひとつ前。幽霊か何か、よく分からない健一が、同様の美鈴を自転車に乗せて、2人で去っていくシーン。しかも美鈴の自転車への乗り方が、横向き。股がないあの女子の乗り方。・・・良いシーンだけれど、終演後、冷静に思い返すと、とても淡いというか、青いというか、ちょっと恥ずかしいというか、青春なシーンでもあるのに、観ているときは、そんな事考えもしなかった。探偵の要素、浮気の要素、ジャガー(だったかな、忘れた。高級車。)の要素とか、いろいろ出てくるのだけれど、結局のところ、このシーンから逆算されて作られた物語なのかなぁ、なんて事を、小田原駅まで歩きながら思う。折しもクリスマスイブ。ほんのりと暖かいストーリー。知らなかった緑慎一郎の作風の作品を楽しめた。