<観劇レポート>スーウェイ「人の気も知らないで」

#芝居,#スーウェイ

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 スーウェイ「人の気も知らないで」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名スーウェイ
スーウェイ旗揚げ公演
人の気も知らないで
脚本横山拓也(iaku)
演出柳本順也(劇団Q+)
日時場所2023/02/03(金)~2023/02/05(日)
小劇場楽園(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団Q+内の劇団内ユニットのようです。

スーウェイ

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

「私がアデコの人生をサポートしますよ。できる範囲で」春の日曜日の午後。桜は散った。彼女たちは交通事故で入院中の同僚のお見舞い帰りにカフェでお茶をしている。今日は寿退社した別の同僚の結婚式の余興の打ち合わせをしなければいけないのだけど気分じゃない。入院中の彼女の治療痕があまりにもショッキングだったから。「目に見える身体の一部欠損」を負った彼女をどのようにサポートしていくか。それぞれの生活・事情・思いに“繋がれた”ところから激しい議論が交わされる…。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2023年2月4日
13時00分〜
上演時間60分(途中休憩なし)
価格3500円 全席自由

チケット購入方法

Livepocketで予約・決済をしました。
当日受付で名前を告げて入場券をもらいました。

客層・客席の様子

男女比は6:4くらい。様々な年代の客がいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・シリアス
・会話劇
・考えさせる

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

仕事終わりのカフェに集う、同じ会社の同僚の女三人。同僚の寿退社で仕事が増えたところに、事故で入院した同僚アデコの仕事までカバーして、長田はいつも以上にイライラしている。その同僚の見舞いに行った、心と綾。片腕を切断するほどの事故で、ショックを隠せない。それでも、寿退社の同僚のために、カフェで余興の練習。三人の会話の中から出てくる、それぞれの事情と、それぞれの「正義」を切り取った物語。

2012年に初演された、iaku横山拓也の作品。元々は別の劇団のために書きおろした作品のようだれど、本家iakuでも何度か上演されている。私は実際に観るのははじめて。劇作家協会のアーカイブに脚本があるので、手軽に読むことができる。

50分ちょっとの物語なのに、物語を、簡単に文章でまとめようと思うと、結構難しい。3人のそれぞれの正義について語っているのだけれど、その線のからみあいが結構複雑。同じ会社のOLって設定なのに、3人の個性が、全然別の方に向いているのも面白い。私は、どこか長田に肩入れして観てしまって、こころの「片手を失ったので、かわいそう」な態度に、正直イライラする。どうも私はこういう態度が苦手だ。長田の「身近に起きた刺激的な出来事にワクワクしてんねんて。」って言葉が、あまりにも的を射すぎていて怖い。そして、その間に挟まれている綾の、少しブラックな一面も垣間見れて、それも怖い。正義・・・みたいなものは、結局のところ、それを見る視点ので、大きく変わるんだよなぁ・・・というのを、長田に肩入れして観ている自分がいるのに、しっかりと感じさせてくれる緻密なストーリーが素晴らしい。

既に横山作品を観ていると、腕の話は「逢いにいくの、雨だけど」を思い出すし、乳がんの話は「あつい胸さわぎ」を思い出すしで、どこかその後の横山作品の、原点になっている作品ではないかと感じる。ひとそれぞれの正義。ひとそれぞれの想いがぶつかった時、どんな事が起こるのか・・・を描く横山作品は、本当に面白い。・・・そんな、もはや当たり前のことを再認識した作品だった。