<観劇レポート>ワンツーワークス 「R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム」(2023年)
【ネタバレ分離】 ワンツーワークス「R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | ワンツーワークス |
回 | ワンツーワークス#38 シリーズ[家族を見つめる]① |
題 | R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム |
脚本 | 古城十忍 |
演出 | 古城十忍 |
日時場所 | 2023/06/09(金)~2023/06/18(日) 赤坂RED/THEATER(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
『ワンツーワークス』は、古城十忍(こじょう・としのぶ)が主宰する劇団です。
過去の観劇
- 2024年11月14日 【観劇メモ】ワンツーワークス「線引き~死者に囲まれる夜~」
- 2024年07月19日 【観劇メモ】ワンツーワークス「神[GOTT]」
- 2023年11月05日 ワンツーワークス「アメリカの怒れる父」
- 2023年02月20日 ワンツーワークス「アプロプリエイト―ラファイエット家の父の残像―」
- 2022年10月08日 ワンツーワークス「消滅寸前 (あるいは逃げ出すネズミ)」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
お父さんが殺された。お父さんには秘密があった……。
宮部みゆきの傑作ミステリー小説を完全舞台化!ある日、建売住宅の建築現場で刺殺された死体が発見される。すぐに身元は判明。
被害者の名前は「所田良介」。妻の「春恵」、娘の「一美」と暮らす平凡なサラリーマンだ。
ところが、現場に残された遺留品がその3日前に起きた女性絞殺事件の遺留品と一致。
二つの事件は同一犯による連続殺人なのか……?
捜査を進めるうちに、警察は驚きの事実を次々に突き止める……。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2023年06月15日 14時00分〜 |
上演時間 | 125分(途中休憩なし) |
価格 | 4900円 全席指定 |
観た直後のtweet
ワンツーワークス「R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム」125分休無
宮部みゆきの原作含め初。面白かった!ミステリー?としての面白さはもちろん。西暦2000年位が舞台だけど、20年経ち仮想空間に対する考え方がここまで変わってるんだなぁってことに驚く。変わった事と変わらない事と。超オススメ。 pic.twitter.com/8GsYaj0CPy— てっくぱぱ@観劇垢/3 (@from_techpapa) June 15, 2023
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
※メンタルの余裕が無く、しっかり書き上げる余裕が取れないため、当面は感想のメモだけ残しています。こぼれ落すより、何かしら残しておきたい。後々振り返って、もう少しちゃんとした文章に仕立てあげるかもしれません。
宮部みゆきの同名小説の舞台化で、再々演との事。ストーリはー記載の通り。ロール・プレイング・ゲームというタイトルの通り、ネット上で出来あがった「架空の」家族、警察によって演じられる(というのは最後の最後に明かされる)架空の家族、そして、殺された父(夫)の家族が"演じていた"家族・・・など、多重の意味での「ロール・プレイ」が徐々にむき出しになっていく。「実際の母」が作っていた「パッチワーク」を最後に広げる場面、結局は「家族」とはいえ、別の一面をそれぞれに持つ違った人格の、集まり。そして本当の「家族」には、代わりがないという、当たり前のことに気が付く。そんな深い事を、殺人事件解決のミステリーとして描く、中々に鋭い作品だった。
2000年を舞台にした物語。父がネット上で「架空の家族」を持ってるという事に対する、娘の拒否反応は理解できるものの、令和の今に同じ状況を当てはめると、微妙にニュアンスが変わってくるのではないか・・・みたいな、時代の違いによる感覚のズレみたいなものを何度も噛み締めずにはいられない。2000年だとまだ「2ちゃんねる」の時代で、ネット上に別人格がある、というのはまだ一般的ではなかったと思う(例えば「アバター」なんて言葉は、存在はしたけれど、まだ市民権を得ていない言葉だったと思う)。
2023年の令和の今では、誰もがSNSにアカウント持ち、普段の自分とは違う人格がネット上にある事に「驚き」はあっても、人格の存在事自体に「驚き」は少ない・・・要は、そんな事もあるかもしれない、位に思える。2000年だとどこか「ネットという得体の知れないものの気持ち悪さ」も含まれているように思うのだけれど、令和の今だと、そういう感覚は薄らいでいるかもしれない。バーチャルでの人格というものが、この20年でどれ程発達したのか。話の本筋からはズレるものの、そんな事にも想いを至らせずにはいられない作品だった。