<観劇レポート>チリアクターズ「放課後、重ね着、□△」
【ネタバレ分離】 チリアクターズ「放課後、重ね着、□△」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | チリアクターズ |
題 | 放課後、重ね着、□△ |
脚本 | 大島寬史 |
演出 | 大島寬史 |
日時場所 | 2023/06/29(木)~2023/07/02(日) 千本桜ホール(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
2009年、桐朋学園芸術短期大学同期の大島、上田、木村らが中心となり結成。
2度の学内プレ公演を経て、卒業して1年後の2012年、「第3回これからよろしく公演」から神奈川県小田原市を拠点に活動開始。以降、年に2~3回ずつ本公演を行いながら、県内の様々な演劇祭などイベントに出演。
2014年12月に「第10回これから‵も’よろしく公演」を小田原市市民会館小ホールで上演。
これ以降、「地方公演」と称し、都内でも公演を行うようになり、活動範囲を拡大。
2015年には鹿児島で行われた「国民文化祭」に参加し作品を上演する。2016年、短編演劇コンテスト「劇王神奈川Ⅴ」で優勝。
17年には「第2回神奈川かもめ短編演劇祭」に出場。最優秀賞と観客賞のダブル受賞達成。
18、19年、22年「神奈川フェスティバル イン ハノイ」に参加。
風魔忍者を題材にしたショーをベトナム・ハノイで上演。(構成・出演として参加)
21年「池袋ポップアップ劇場」に参加、「しらずのうちに」を上演。
22年、活動開始10周年を迎え、6月と10月にそれぞれ小田原と横浜で記念公演を実施。「気軽に来られる、気楽に観られる」をモットーに大島の書くオリジナル作品を多数発表。
ジャンルを決めずに作品を作り続け、既成戯曲に挑むこともある。
ただいま、劇団員募集中。YouTubeで、様々な企画動画を投稿中。
過去の観劇
- 2024年11月02日【観劇メモ】チリアクターズ「邪行提燈」
- 2022年10月31日チリアクターズ「どんな顔すればいいの@焼跡」
- 2022年06月26日チリアクターズ「宇宙の旅、セミが鳴いて」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
兄が消えた。
残した一通の手紙を頼りに辿り着いたのは、
共に学生時代を過ごした街。
そこでは変わり果てた現在と、
時間の止まった場所が、共存していた。
偶然出会った兄の当時を知る人たち。
語られる、兄の知らない姿。
これは、まだ続いている放課後の話。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2023年06月30日 14時00分〜 |
上演時間 | 110分(途中休憩なし) |
価格 | 2800円 全席自由 |
観た直後のtweet
チリアクターズ「放課後、重ね着、□△」110分休無
んー。えがきたい事はとてもよく分かるつもりで、それはかなり早い段階で予想した通りなんだけど。如何せんお話の前半が、頭に入ってこなくて困る。想像を刺激してこないの何故だろう。舞台セットも意図は分かるけどちょっと残念な感じに見える。 pic.twitter.com/dnKOvxgnkt— てっくぱぱ@観劇垢/2 (@from_techpapa) June 30, 2023
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
※メンタル的に調子が悪く、しっかり書き上げる余裕が取れないため、当面は感想のメモだけ残しています。こぼれ落すより、何かしら残しておきたい。後々振り返って、もう少しちゃんとした文章に仕立てあげるかもしれません。
ストーリーは事前紹介の通りだが、兄はどうやら既に死んでいて、兄が残したポストカードをふとしたきっかけで見つけて(きっかけは特に説明されない)、学生時代を過ごした街に戻って来た主人公。そこには、兄との記憶を構成する人々と、兄の幽霊がいる。一方同棲している相手は、毒親ならぬ独姉に人生を干渉され続けていて、半ば逃げる形で主人公と同棲している女。そんな「兄の記憶」あるいは「兄弟との記憶」を軸にした、とてもフワッとして、(おそらく意図的に)説明し過ぎない物語。
冒頭10分くらいのやり取りで、何となく兄は死んでいるんじゃないかなぁ・・・という予想通りの展開。どうして兄に拘っているのか、そういった細かいことは語られないし、語る必要もない物語。・・・だとは思う。ただ前半の、懐かしい街に戻る、というあたりの肝の描写が、どうも頭に入ってこない。その街が、兄の残像を宿している、っていう事を表現したいのだろうけれど、過去への想像が一向に膨らまない。客にどの程度「兄」を想像させる断片を提供できるかがキーポイントな気がするが、その事が感覚的に伝わってこなくて、結構退屈ゾーンに入ってしまう。
その後、兄(の幽霊)が登場し、連れて帰った兄を同棲相手が見えない(要は死んでいる)ことから物語が動き出して面白くなってくるものの、前半の郷愁感みたいなものに全然入り込めてないので、ちょっと時遅し…という感覚が強かった。
主人公の同棲相手の姉が、毒姉で過干渉。浮気した…かのような証拠を見つけて(客には勘違いに見える気が)、そこから一直線に彼を疑っていく様子が面白い設定だなぁと思う。主人公と同棲相手、二人の兄弟関係の大きな違いと、しかし似たような欠落と、そこからくる対立を物語っているようだった。
舞台セット、兄がポストカードにして送ってくれた光景が見えるベンチが主人公にとって特別なのは理解できるものの、千本桜ホールにあの舞台装置がドドンと置かれてしまうと周辺の物語がどうしても窮屈で、フチで演技しているように見えてよくない。空間の使い方に制約が大きくなってしまったのが残念。