<観劇レポート>iaku「モモンバのくくり罠」
【ネタバレ分離】 iaku「モモンバのくくり罠」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | iaku |
題 | モモンバのくくり罠 |
脚本 | 横山拓也 |
演出 | 横山拓也 |
日時場所 | 2023/11/24(金)~2023/12/03(日) シアタートラム(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
劇作家・横山拓也による演劇ユニット。緻密な会話が螺旋階段を上がるようにじっくりと層を重ね、いつの間にか登場人物たちの葛藤に立ち会っているような感覚に陥る対話中心の劇を発表している。間口の広いエンタテインメントを意識しながら、大人の鑑賞に耐え得る作品づくりを心掛け活動中。
過去の観劇
- 2024年07月19日【観劇メモ】iaku「流れんな」
- 2023年04月21日iaku「あたしら葉桜」
- 2022年11月07日劇団俳優座「猫、獅子になる」
- 2021年10月29日iaku「フタマツヅキ」
- 2021年04月22日iaku「逢いにいくの、雨だけど」(2021年再) ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
山中に住居を構えたある夫婦。猟期には、くくり罠で鹿や猪を捕獲、小さな畑で野菜もつくり、出来るかぎりの自給自足生活を目指した。娘は、幼い頃から当たり前に山で暮らしてきたが、徐々にこの生活に違和感をもち、また、周囲から「モモンバ」と呼ばれる母のことも嫌で、ついには山を降りて一人で生きていくことを選んだ。
iakuの最新作は、親が形成した「家族価値」と、そこに縛られた子の生き方を見つめる。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2023年12月01日 19時00分〜 |
上演時間 | 105分(途中休憩なし) |
価格 | 5000円 全席指定 |
観た直後のtweet
iaku「モモンバのくくり罠」105分休無
iakuの新作。カテコダブルも。んー私的には物足りない。最近のiakuは物足りない続き。前半は明確に退屈。中盤はダメな高校演劇かって突っ込みたいくらいに弁論大会モードになってる。テーマはよく分かるし共感もするけど薄いなぁ。iakuこんなもんじゃないでしょ。 pic.twitter.com/HqAYJX56r4— てっくぱぱ@観劇垢 (@from_techpapa) December 1, 2023
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
大好きなiakuが、段々自分の好みと離れていってしまっている感が強い。ここのところどうにも物足りない作品が多くて、今回は観劇を見送るつもりでいた。でも評判になっていたので観たのだけれど・・・肩透かしだった。
テーマにはものすごく共感できる。要は「子は親を選べない」という事に対して、どう捉えるかという事。山奥で、イノシシや鹿を狩る生活をしている母親に育てられた子が、都会に出て馴染めない。自分にとっての普通は、どうやら他人と違う。もっと別の普通を与えて欲しかった、という想い。そうはいったって、親は自分の環境で生きているのだから「普通」を与えるのが必ずしもできる訳じゃない。そもそも「普通」という事の定義も曖昧だ。途中で話題に出てくる、宗教を信じる親の下で育った子は、どうやったって宗教から逃れられない人生を送るのであって、最近の宗教がらみの事件を対比させると分かり易いけれど。
ただ、どうにも物語が、その事を語るために準備されたシチュエーションのように思えてならない・・・物語を描く前にテーマが前に来ている感覚。中盤、周りの人々が口を挟みつつの母娘の言いあいのシーンは、何だか出来の悪い高校演劇・・・テーマをセリフにして真正面から語る弁論大会な演劇・・・を観ているようで、iakuだよなぁ、と確認しながら、ちょっと悪夢みたいな時間を過ごした。