【観劇メモ】楽園王「『本棚より幾つか、』-短編演劇祭-」
【ネタバレ分離】 楽園王「『本棚より幾つか、』-短編演劇祭-」の観劇メモです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 楽園王 |
回 | 楽園王□公演 |
題 | 『本棚より幾つか、』-短編演劇祭- |
脚本 | 長堀博士 |
演出 | 長堀博士 |
日時場所 | 2024/08/02(金)~2024/08/06(火) 新宿眼科画廊(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
楽園王は、1991年に劇作家の長堀博士が自作を自身の手で上演するためにスタート。「エッシャーの絵の中に紛れ込んだよう」と評される作風が評価されてきた。その後10年を経て、劇団としては古典戯曲や文学作品も上演するようになり、「利賀演出家コンクール」での注目から、長堀博士も演出家としての側面が強くなった。「戯曲=詩」の考えから、独特の、音楽的な台詞運びの不思議な雰囲気の舞台を上演している。活動は、都内での公演が主流だが、地方のフェスへの参加など積極的に行い、これまで30年以上、日本の舞台演劇の世界の第一線で活躍している。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
今回上演する『風』が、7月13日14日に開催された茨城劇王にて、予選Cブロック、決勝戦と一位通過し、見事「初代茨城劇王」の称号を手にしました。本公演は、同時開催された四季の森シアターフェスティバルで上演された『よだかの星』と共に、東京凱旋公演となります。
【Aプログラム】
『本棚より、夢十夜』
夏目漱石『夢十夜』より
演る人■ 塩山真知子、杉村誠子
+
宮沢賢治『よだかの星』
演る人■ 加藤翠
+
『風』
演る人■ イトウエリ、小林なほこ、大畑麻衣子(miez miez)⇒8/2(金)15:00 & 19:00
⇒8/3(土)12:00 & 17:00【特別プログラム】
谷崎潤一郎『お国と五平』
演る人■ 塩山真知子、三品洋二郎、久堂秀明
+
舟橋聖一『華燭』
演る人■ 奥村拓(オクムラ宅)⇒8/4(日)17:00 One Stage Only!
【Bプログラム】
『赤い靴』
演る人■ 澤崎妙、新乃舞子
+
『アオイハル』
演る人■ 舩木智菜美、地寄宙
+
岸田國士『紙風船』
演る人■ 政井卓実、大畑麻衣子(miez miez)⇒8/5(月)15:00 & 19:00
⇒8/6(火)12:00 & 17:00【コメント】
前回の、谷崎潤一郎『白昼鬼語』の上演は、カンパニーにとってエポックメイキングだったと思う。あらためて楽園王らしい演劇、というのをキチンと上演する意義を感じることが出来た公演だった。では、楽園王らしい演劇とはなんだろうか? その問いから今回の楽園王公演の企画が始まった。公演にて検証したいと考えた。つまり、今考える楽園王らしい(あるいは、長堀演出らしい)作品の上演がこの公演になるはずだ。
短編を多く上演したいと考えている。多くの短編が再制作になる。過去の好評作の再演と言っても良いと思う。レパートリーという考え方で演劇をやっているカンパニーだから、基本の演出は前の上演と変わらない。稽古の中で、新たなアイデアや問題の発見などあるかも知れない、が、同じ作品を上演しようという気持ちからスタートしての経緯としてである。また、今回新たな出演者を得ての創作もあるが、それも楽しみだが、初演時での出演者にも多く参加いただいている。カンパニーが長く続いていることの豊かさだと実感し、十数年前の出演者と同じ作品に取り組む、という機会が実現できて嬉しい。
……と、長々と書いてきたが、今回の公演は、楽園王が今も昔も面白いと思っている、そんな演出作品をたくさん上演する機会になる。大げさではなく、過去の好評作や自信作、ここでしか観られない短編が並ぶ公演だ。初めて使う劇場になる新宿の眼科画廊の地下、小劇場の秀作が次々と発表される会場だから緊張感もある。タイニイアリスが閉館してから新宿に出られてなかったが、やっぱり新宿での公演が嬉しい。
あらためまして、どうぞよろしくお願いいたします。ぜひお時間を作って足を運んでいただけることを祈っています。砂漠の渇望のように。楽園王33年目の意欲的な公演です。本当、ぜひ。
【楽園王とは?】
楽園王は1991年に東京で旗揚げ、2024年には33年目に突入している劇団。元々は、主宰で劇作家の長堀博士の戯曲を自身の手で上演する場としてスタートしたが、その後10年を経て、古典戯曲もレパートリーに加えるようになる。長堀は、演出家として「利賀演出家コンクール」には通算7回参加し、多くの古典戯曲を上演、イヨネスコ『授業』では優秀演出家賞を受賞した。また「同演劇人コンクール」では、チェーホフ『イワーノフ』にて奨励賞も受賞している。静岡県舞台芸術センター(SPAC)には2回招聘されて、寺山修司『青ひげ』、エウリピデス『メディア』を上演。青学ワークショップデザイナー(第18期)を履修したワークショップのファシリテーターでもある。長堀の演出には特徴があり、「台詞=詩」の考えから、言葉の意味よりも耳からの聞こえを重視した表現を追求した作品を上演。また、長堀が書く戯曲の特徴としては、「エッシャーの絵に紛れ込んだよう」と評されるような迷宮性の高い物語演劇を執筆し上演してきている。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2024年08月02日 15時00分〜 |
プログラム | A |
上演時間 | 75分(途中休憩なし) |
観た直後のtweet
楽園王「本棚より幾つか、」-短編演劇祭-Aプログラム75分休無
団体初見。初代茨城劇王だそう。漱石アレンジの「本棚より、夢十夜」宮沢賢治「よだかの星」「風」の3本。前2本は朗読の要素強し。「風」は現代劇か。静かな中での短編集。音響が印象的。私は「風」が好みだけど全体的に観劇玄人向けか。 pic.twitter.com/DkUwNepuMe— てっくぱぱ (@from_techpapa) August 2, 2024
満足度
(4/5点満点)