<観劇レポ>東葛スポーツ「平成のいちばん長い日」玄人好みのパフォーマンス演劇。

「平成最後の日」と「おかあさんといっしょ」がシンクロする。



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どもっ\(´▽`*)。てっくぱぱです。
東葛スポーツ「平成のいちばん長い日」の舞台を観てきました。

公演データ

平成のいちばん長い日
東葛スポーツ
3331 Arts Chiyoda
2018/12/20 (木) ~ 2018/12/24 (月)
脚本・演出 金山寿甲

観劇データ

日時2018年12月21日 20時00分〜
価格2800円 全席自由(事前にネット予約)
上演時間75分(途中休憩なし)
★★★☆☆(3/5点満点)

客席の様子

若者層からシニアまで、年齢層は様々でした。てっくぱぱの私見ですが・・・何となく、東葛スポーツを観慣れた人。エッジの舞台が好きな人。演劇関係者が多かった気がします。
通常アートギャラリーとして使われる空間での舞台。三方から舞台を囲む構造になっていました。

東葛スポーツ

東葛スポーツ、20回以上公演を重ねてきている劇団です。

東京スポーツ、テレビ東京、AMラジオ、立川談志、ビートたけし等々、これまで影響を受けてきた様々なプロップスをサンプラーに取り込み、ヒップホップ流の了見でアウトプットする金山寿甲率いる演劇ユニット。

との事で。
過去の出演キャストを見ると、有名劇団からの客演も多いようです。
私、てっくぱぱは、先日観た秘密結社ブランコ「堀船」の公演の、仮チラシに惹かれての観劇。
「堀船」に出演していた、ナカゴーの篠原正明さんも出られていますね。

ストーリー

公式ホームページには、ストーリー記載がないのですが、こちらの記事に、主宰・金山寿甲のインタビューが出ています。

実は、平成31年の4月30日に小屋をおさえているんですけど、そこで『平成のいちばん長い日』というタイトルでやろうと思っていました。平成最後の日に、天皇陛下が明日から普通の人になる、みたいな話を考えていたのですが、今回のメンバーで平成の終わりと『おかあさんといっしょ』がフックになるようなイメージがわいたので、少し前倒ししました。

と、この記事だけ読むと、期待は広がるものの、よくわかりませんが。「おかあさんといっしょ」に絡む事だけは確かです。

この舞台。玄人向けなニオイがプンプン漂っていますが、予想通り「観劇初心者」には全く不向きです。また、観劇経験豊富な方でも、客層を選ぶ舞台かと思います。

演劇というよりはパフォーマンス

ストーリーは。
"平成最後の日"から「おかあさんと一緒」に出演することになった出演者たち。突如、今上天皇が崩御され、突如"平成最後の日"がやってきた。生放送で繰り広げられる「おかあさんといっしょ」。社会を風刺するラップミュージックに乗せて進む番組が、普通なはずがない。少し壊れた人々が贈る「おかあさんといっしょ」という感じだ。

ただ、ストーリーはあってないようなもの。後半からは、風刺たっぷり、皮肉たっぷり。気が付けば、観客席は、番組中、おにいさんとおねえさんを囲む、子供たちになっている。25分の番組を一通りなぞって進む舞台だった。

舞台観ていて思ったのは・・・最近の「おかあさんといっしょ」、オレ詳しく知らないんだなぁという事。いろいろなパロディはあるものの、元ネタを知らない事が多かったかも。もちろん「Eテレ」っぽい感じというのは理解できるのだけれど。

今回のラップは、「ラップを舞台で使う」というより「ラップそのものが舞台」という表現。先日のオイディップスREXXXのような違和感はなかったものの、正直なところラップでの社会風刺が、ちょっと甘いかな、と思った。「フフフ」という微妙な笑いは巻き起こるものの、客席の反応は暖かいながらも鈍かったように思う。

演劇というより、風刺のアート作品、といった趣が強いように感じる。東葛スポーツの作風が、いつもこうなのかは分からないのだが、80年代に蔓延した、社会風刺のパフォーマンスを彷彿とさせた。(私も実際に見たことがある分けてはないが。映画「RENT」あたりではこのようなのを見ることができる)

うたのおねえさん

菊池明明と稲継美保。二人とも声が奇麗。菊池明明は、うたのおえさん感、が抜群。稲継美保は、「おかあさんといっしょ」の女性出演者独特の「甲高いはっきりした声」が、ドはまりだった。

先日観た「セールスマンの死」。途中、すごくきれいなのに一瞬しか出番がない女優さんがいて、もったいないなぁと思っていたのだけれど。その女性が、実は菊池明明。本編のラップの中でも、ネタにされていた。


舞台